篠原の言葉に動揺した夜を過ごした悠真は、次の日もその余韻から抜け出せずにいた。朝の光が差し込む教室で、悠真はぼんやりと窓の外を見つめている。そんな彼に気づいた和馬は、静かに隣に座った。
「最近、様子が変だよな。何かあったのか?」和馬の問いに、悠真は一瞬ためらったが、やがて口を開いた。「実は…篠原にあることを言われたんだ。でも、どうしてもその言葉が頭から離れなくて…」
「篠原か…」和馬は視線を伏せ、微妙な表情を浮かべる。「アイツは何かを隠している気がする。でも、それが何かは俺にもわからない。」
その時、篠原が教室に入ってきた。悠真と目が合った瞬間、彼はわずかに笑みを浮かべ、近づいてきた。「悠真、少し話せないか?」和馬が間に割って入ろうとするが、篠原は冷静な目で彼を制止する。「君とは違う話なんだ。」
悠真は困惑しつつも、篠原の後について教室を出た。廊下の片隅で、篠原は深いため息をつきながら言った。「君には本当のことを知ってほしいんだ。そして…僕の気持ちも。」
「君が僕に気づいてくれたのは、きっと偶然じゃない。でも、君に伝えなければならないことがあるんだ。」篠原の瞳は真剣そのもので、悠真はその目から逃れることができなかった。
「でも…どうして今になって?」悠真の問いに、篠原は言葉を詰まらせる。「今だからこそ、なんだ。君と和馬が親しくなるたびに、僕は自分が何を失っているのかに気づかされた。でも、それでも諦めたくない。僕も君を…」
その瞬間、和馬が息を切らして現れた。「悠真、話は終わったのか?」彼の声は焦りと不安に満ちていた。
篠原は一歩引き下がりながら、「僕はもう、嘘をつくのはやめる」と静かに告げた。その言葉が何を意味するのか、悠真と和馬はまだ理解できないまま、三人の関係はさらなる複雑さを増していく。
次回予告
篠原の真実がついに明らかになる。悠真と和馬、そして篠原の三角関係はどうなってしまうのか…?新たな選択が彼らを待ち受ける。
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